事業概要

環境省と(公財)環日本海環境協力センター(NPEC)は、人工衛星でとらえた海洋環境データを受信・解析し、NOWPAP関係国を含む国内外に発信するシステムを構築するため、「環日本海海洋環境ウォッチ」事業を平成13年度から推進しています。


目的

国連環境計画(UNEP)の提唱のもとに、日本、韓国、中国及びロシアにより「北西太平洋行動計画」(NOWPAP)が実施されています。NOWPAPの実施にあたっては、各国に海洋環境保全に関するプロジェクトの拠点となる地域活動センター(RAC)が設置されることとなり、日本においては当センター(NPEC)が特殊モニタリング・沿岸環境評価地域活動センター(CEARAC)に指定され、特殊モニタリングの一つとしてリモートセンシングによる海洋環境モニタリング技術を開発・普及することになりました。そこで、日本に課せられた国際的任務を果たすべく、環境省の支援のもとに「環日本海海洋環境ウォッチ」事業を実施することとなりました。この事業の実施により、広域的かつリアルタイムな日本海及び黄海の海洋環境の現状を把握することが可能になるとともに、関係国と海洋環境監視手法を検討する上で重要なデータとして活用されることとなります。本システムが提供するリモートセンシングデータベースは、2007年に北東アジア地域GOOS(NEAR-GOOS)のデータベースにも登録されることとなり、より多くのユーザーへのデータ提供が期待されています。また、令和元年度からは、海洋環境リモートセンシングデータの取得・処理環境をクラウドコンピューティング環境上に移管し、より効率的なシステムの運用を実施しています。

事業内容

(1) リモートセンシングデータ取得、処理システムの構築

クラウドコンピューティング環境上に宇宙機関、研究機関が公開するリモートセンシングデータを自動取得し、NOWPAP海域用にデータ処理し、可視化するシステムを構築

(2) ウェブサイト上のリモートセンシングデータ提供システムの構築

衛星が取得したリモートセンシングデータを長期的に保存し、各種研究目的に応じた形で検索、活用できるようにするためにデータベースを構築。

(3) リモートセンシングデータ解析環境の整備

クラウドコンピューティング環境上で、リモートセンシングデータの精度検証、藻場マッピング等の解析環境を構築。

システム整備・運用方法
●環境省 : 衛星リモートセンシングデータ取得、処理、検証、解析システムをクラウド環境上に整備し、システムを開発します。
●NPEC: クラウド環境上に構築したシステムの管理運用及び利活用を行います。管理運用及び利活用にあたっては、NPECが設置する環日本海海洋環境検討委員会、日本国内の海洋環境リモートセンシングの専門家の指導助言を基に実施しております。
システム構成

システムの沿革

ウォッチシステムの設置からこれまでに至る経緯を時系列にまとめています。
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