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浅沼市男先生 インタビュー
浅沼市男先生Photo 浅沼市男
千葉大学 工学博士
東京情報大学総合情報学部 所属
<主な研究テーマ>
植物プランクトン基礎生産力モデルの研究
Q 浅沼先生が取り組んでいる研究のテーマについてお聞かせください。
Q 海洋リモートセンシングという事で言えば、MODIS、TerraとAquaに搭載されたMODISのデータを使ってということが当学部の使命になっておりますので、まずはそれをどのように使うかということが、一番のテーマです。大学自体の研究予算とは別にフロンティア研究予算を国から取得し、MODISの受信局を設置し取得したデータを使って、東アジア地域の環境変動のモニタリングを行っています。

東アジア地域ということで浅沼研究室では東シナ海に注目して揚子江から流れ込んでくる河川水、これによって下流域の海水がどのような影響を受けるのか、例えば植物プランクトンの生産力これにどのように影響してくるかなどを評価研究しているところです。

調査の一環として、東シナ海の調査という事で年に3回与那国島、屋久島、対馬近海での現場調査を行っております。調査の内容はCTDのプロファイリングをし、その後0,10,20,30,50mの各層採水を行っています。CTDの調査ではコンパクトタイプのCTDにPARというセンサーをつけて同時に光合成有効照度も計測しています。これにより、水温、塩分の躍層と植物プランクトンの分布、表層に対しての有効層の関係を調べています。クロロフィルは採水分析しています。最近ようやくデータが整備されつつあり、揚子江からの河川水の影響の様子が把握できつつあります。


Q 調査に使う船などはどのように探しているのですか?
Q 与那国、対馬、屋久島を同時期に調査しようとした場合、大きな船だと調査しきれないため、ホームページなどで釣り船屋さん等を探して手配しています。

Q リモートセンシングに関わるようになったきっかけを教えてください。
Q 浅沼市男先生・写真学部のときに、工学部の写真工学科に在籍しておりまして、そのときにデジタルイメージプロセッシングということを研究している先生がおり、そこで外研ということでIBMに行き今とは異なるカード入力式のコンピュータで画像処理を行っていました。そこで、米国NASAの地球観測衛星であるランドサットの衛星観測データを扱う機会を得ました。
その時は、ランドサットデータの衛星画像を用いて農業の事、植生や土壌などを研究していました。
そのような研究をしている時に、扱っていたコンピュータの関連会社の人から海洋開発技術センターに納品した機械が動かないので動かして欲しいと言われ、アルバイトをしはじめたことが海のことに携わるきっかけです

Q リモートセンシングに今後期待する部分はどのようなことでしょうか?
Q 今後期待する部分としては、塩分濃度と表層混合層の深さをリモセンで観測することです。
しかし、リモセンのデータはあくまでも現場のデータを補完するためのデータだと思います。東京情報大学では実学主義といって現場での勉強を重視しています。
このことは学生にとって非常に良いことだと思います。現場を見ずにリモセンのデータだけを見ると間違った解釈をしてしまうことがあると思います。
そのようなことからも、今後も、現場とリモセン両方やることが必須だと思います。
(インタビュー日: 2006年6月21日)

学生さん インタビュー
郡司 基己
東京情報大学
総合情報学部環境情報学科 3年
浅沼研究室所属
Q 浅沼先生の研究室を選んだきっかけを教えてください。
Q 気象や台風のでき方や動き方などに興味があり、台風は海上で発生するのでその仕組みについて学んでみたいと思います。本学では、リモートセンシングやGISを活用した研究が盛んですが、それらは陸域を対象としたものがほとんどです。そのような中、海のことを研究しているのが浅沼先生だけでしたのでこの研究室を選びました。

Q 台風に興味持ったきっかけを教えてください。
Q 昔から写真を撮るのが好きで、空や雲、気象などに興味を持ちました。
その中で台風を調べているときに、風の動きや目のでき方などに非常に興味深く感じました。

Q 今後の衛星データに期待することを教えてください。
Q 台風が発生するに当たって海水温や海流などの関係を調べてみたいと思いますので、それらのデータを今後使ってみたいと思います。
インタビュー日: 2006年6月21日)